今回は、NiceHash QuickMiner v0.4.2.1 RC で追加された、GTX 1080 などの GDDR5X を搭載する GPU について、「ETHlargementPill」なしでハッシュレートを向上させる新機能と、その使い方を紹介します。NiceHash による紹介記事はこちらです。
本ページで紹介する方法は、NiceHash QuickMiner v0.4.2.1 RC 以降で実施することが出来ます。v0.4.2.1 RC が未インストールの場合は、先にインストールを済ませておくことをおすすめします。
NiceHash が主張する「ETHlargementPill の危険性」
NiceHash は「ETHlargementPill」を使わずに OCTune を利用するよう推奨する理由を、次のように述べています。
NiceHash Miner / NiceHash QuickMiner のこれまでのバージョンでは、GDDR5X を搭載した GPU を使用しているユーザーは、より良いハッシュレートを得るために「EthEnlargementPill」を使用するリスクを犯す必要がありました。
「EthEnlargementPill」は、保護されたクローズドソースのファイルで、インターネット接続を必要としません。そのため、ネットワークリソースを使用しないと思われていましたが、いくつかのサーバーに接続していることが判明しています。この問題は、しばらく前に Bitcointalkフォーラムで提起されました。
NiceHash が「EthEnlargementPill」を悪質なソフトであると認定する、というわけではありません。しかしこのソフトの特徴である、
・クローズドソースであること
・厳重に保護されていること
・実際のタスクを実行するコードが最大100行しかないこと
・他の実行コードが何をしているのか不明であること
を考えあわせると、このソフトが実際のところ何をしているのか、すべてが明らかにされてるわけではないと考えるべきです。そのため、ログイン名やパスワードなどの機密情報を含むコンピュータや、プライバシーが必要とされる作業に使用するコンピュータでは、「EthEnlargementPill」を実行することは一切おすすめできません。NiceHash はこの問題を認識しており、GDDR5X でハッシュレートを向上させる機能を NiceHash QuickMiner に盛り込みました。将来のバージョンでは、メモリのタイミングを自動的に調整する機能を提供していきます。
OCTune での設定方法①:「Selected?」にチェックを入れる
まず OCTune 画面に入ります。
右下のシステムトレイで NiceHash QuickMiner を右クリックし、「OCTune」をクリックします。
そうすると、このような表のある画面が表示されます。
GDDR5X を搭載した GPU(画像では GTX 1080)の行の一番右にあるチェックボックス(「Selected?」)にチェックを入れてください。
OCTune での設定方法②:「Set custom:」欄にパラメータを追記
次に右下にある「Adjust memory timings (experimental, only Pascal and Volta)」の下の「Set custom:」欄に、
お使いの GPU にあった記述を下の表からパラメータをコピペして書き換えます。
GPU | パラメータ |
---|---|
GTX 1080 Ti | “FAW=16″,”RRD=4” |
GTX 1080 | “FAW=16″,”RRD=4” |
TITAN V | “RC=45″,”RFC=251″,”RAS=23″,”RP=22″,”RD_RCD=10″,”FAW=12″,”REFRESH_LO=7″,”REFRESH=10″,”RRD=3” |
TITAN Xp | “FAW=16″,”RRD=4” |
書き換えるとこのようになります。
パラメータを書き換えたら、右下にある「Selected」をクリックしてハッシュレートが期待通りに増えるか確認しましょう。
OCTune での設定方法③:設定を保存
最後に設定を保存します。「General options」の「Single selected device:」の右のメニューで、今回設定した GPU を選択し、「Save current configuration」をクリックすると保存されます。
これで設定は完了です。
OCTune での設定方法④:ハッシュレート確認
設定前の GTX 1080 のハッシュレートは「25.76 MH/s」でしたが、

設定後のハッシュレートは「32.78 MH/s」に向上しました。

別記事で設定ファイルを編集する方法も紹介していますが、今回紹介した OCTune での設定の方が簡単でしたね。
OCTune 設定方法のまとめ
OCTune 設定方法は別の記事で紹介してきました。
こちらもあわせてご覧ください。
第1回では、OCTune の基本を紹介しています。
第2回では、OCTune でのオーバークロック設定を半自動で行う「オルタナティブオーバークロック (Alternative Ooverclocking) 」設定を紹介しています。
第3回では、OCTune でのオーバークロック設定をほぼ自動で行う「自動オーバークロック (Autotune) 」設定を紹介しています。
第4回では、リモートアクセスを設定することで、1台の PC から他のリグの OCTune を行えるようにする方法を紹介しています。
【本ページ】第5回では、「ETHlargementPill」なしでハッシュレートを向上させる新機能と、その使い方を紹介しています。
第6回では、「Fan management」の使い方を紹介しています。
第7回では、「新ファンモード」の使い方を紹介しています。