PhoenixMinerの最新版である「5.6d」バージョンが発表されています。
ところで、PhoenixMinerとはどのようなマイニングソフトなのでしょうか?
AMDのGPUをメインに使っている場合はPhoenixMinerを利用することがあるかと思いますが、NiceHash QuickMinerをメインに利用されている場合はあまり馴染みがないかもしれません。
当サイトではPhoenixMiner開発者とNiceHashとのやり取りについて紹介していますが、
PhoenixMiner自体の紹介はしていなかったため、このページで紹介をしたいと思います。
対応アルゴリズム・対応GPU
対応アルゴリズム
PhoenixMinerはETH・ETCなどのアルゴリズムであるEthash(別名のDaggerHashimotoの方が有名かもしれません)の最速のマイニングソフトです。
対応しているアルゴリズムは以下の通りです。
- Ethash(DaggerHashimoto)
- ETCHash
- ProgPOW
- Ubqhash
- Blake2s
このリストの中で、青線を引いたアルゴリズムと黄線を引いたアルゴリズムはデュアルマイニングが可能です。組み合わせとしては「Ethash(DaggerHashimoto)/ Blake2s」「Ubqhash / Blake2s」の2種類が可能です。
対応GPU
AMD・NVIDIAのどちらのGPUにも対応しています。
このため、
GPU | マイニングソフト |
---|---|
AMD | NiceHash Miner(PhoenixMiner) |
NVIDIA | NiceHash QuickMiner |
と使い分けている方が多いのではないでしょうか。
動作環境
- 対応GPU(AMD):RX 6000世代、RX 5000世代、Radeon VII、Vega世代、RX 500世代、RX 400世代、R9 Fury、390、290(十分なVRAMがあればこれより古いものでもOK)
- 対応GPU(NVIDIA):RTX世代、GTX 1600世代、1000世代、900世代(十分なVRAMがあればこれより古いものでもOK)
- Windows x64(Windows 7、Windows 10など)
- Linux x64(Ubuntu LTS、Debian stableなど)
最近では32bit版をインストールすることは殆どありませんが、古いPCを転用しようとする際は64bit版であるか要確認です。
dev feeが安い
マイニングソフト仕様時に開発者に支払う手数料であるdev feeは「0.65%」です。これはPhoenixMinerが自称する通り業界最低水準でしょう。
具体的にはマイニング中の90分(5400秒)ごとに35秒間、接続先ウォレットを開発者のウォレットに切り替えてマイニングを行います。これによって、開発者ウォレットに接続中のマイニングが手数料の代替となります。
なお、デュアルマイニング中のdev feeは「0.9%」となります。具体的にはマイニング中の65分(3900秒)ごとに35秒を開発者への手数料としてマイニングを行います。
デュアルマイニングを行う場合は、このdev feeの差の「0.25%」をまかなえるかどうか事前の推定収益計算が必要になります。
Claymoreからの移行が容易
PhoenixMinerは、デュアルマイニングができるEthashマイニングソフトとしてかつて一世を風靡したClaymore Dual Minerと、多くの共通点があります。また、Claymoreのコマンドラインオプションと設定ファイルの殆どを、PhoenixMinerに引き継いで使用することができます。
Ethashのみをマイニングした場合のハッシュレートは、Claymoreより0.4~1.3%向上しています。
「minerstat」「SimpleMining OS」「Awesome Miner」に対応しています。
Awesome MinerはNiceHashを使わない際によく使われてきましたので、同じ使い勝手でPhoenixMinerでも利用できるのは利点と言えるでしょう。
その他の特徴
- 高度に最適化されたOpenCL・CUDAコアにより、Ethashのハッシュレートを最大化。
- RX 580、570、560、480、470、460用オプションの「グリーンカーネル」により、消費電力を2~3%低減させながら、ハッシュレートの低下を最小限に抑えるます。
- 高度な統計情報オプションを使用することで、shareごとの実際の難易度、プールの有効ハッシュレート、推定収入の米ドル表示が可能です。
- DAGファイルをGPUで生成することで、起動とDAGエポックの切り替えを高速化。
- すべてのethashマイニングプールとstratumプロトコルをサポート。
- プールへのセキュア接続(ssl://eu1.ethermine.org:5555など)をサポート。
- 個々のGPUについて、ハッシュレート、シェア、温度、ファン速度、クロック、電圧などの詳細な統計情報を表示。
- 設定ファイルepools.txtにフェイルオーバープールを無制限に(ただし、コマンドラインは2つまで)設定可能。
- ETH以外に、ETC、EXP、Music、UBQ、Pirl、Ellaism、Metaverse ETP、PGC、Akroma、WhaleCoin、Victorium、Nekonium、Mix、EtherGem、Aura、HBC、Genom、EtherZero、Callisto、DubaiCoin、MOAC、Ether-1、EtherCCといったEthashの暗号通貨でのdev feeをサポートしています。これにより、GTX970などのVRAMが小さかったり、ハッシュレートが低い古いGPUでも現在のDAGエポックで使用できます。
- Claymore Dual minerとの完全な互換性(コマンドラインオプション、設定ファイル、リモート監視・管理のほとんどを含む)。
- UBQコインのUbqhashアルゴリズムをサポート。
※UBQをマイニングするには、コマンドラインに「-coin ubq」を追加するか、epools.txtファイルに「COIN: ubq」を追加する必要があります。 - Bitcoin Interest(BCI)コインのProgPOWアルゴリズムをサポート。
※BCIをマイニングするには、コマンドラインに「-coin bci」を追加するか、epools.txtファイルに「COIN: bci」を追加する必要があります。