NiceHashが「Autolykos (Ergo) について一言(A word about NiceHash Miner and Autolykos (Ergo))」と題したブログ記事を公開しています。この記事についてみていきましょう。
簡単に要約すると、当分の間はAutolykosをサポートせず、今後のスケジュールも決まっていない、となります。
Autolykos (Ergo) サポートの現状
AutolykosアルゴリズムがNiceHashプラットフォームに追加して以来、いつになったらNiceHash MinerでAutolykos (Ergo) がサポートされるのかと、多くの質問を受けています。以下で、現在のNiceHash MinerでAutolykosアルゴリズムがサポートされていない理由と、今後の見通しについてご説明します。
ハッシュレートが低いためNiceHashは潜在的脅威となりうる
現時点では、Ergoのネットワークハッシュレートは13TH/s程度です。つまり、悪意を持った人が51%攻撃を行う場合には6.5TH/s強のハッシュパワーが必要となります。一方、現在のNiceHash DaggerHashimotoマーケットプレイスでは、40TH/s弱のハッシュパワーが提供されています(※)。
AutolykosのマイニングはDaggerHashimotoよりも収益性が高まる場合があるため、Autolykosがマーケットプレイスに追加された場合、多くのDaggerHashimotoマイナー・バイヤーがAutolykosに切り替えることが予想されます。これは、Ergoブロックチェーンにとって潜在的な脅威と言えます。万が一51%攻撃を受けた場合にErgoブロックチェーンとそのユーザーに大きなダメージを与えるおそれがあります。
※AutolykosとDaggerHashimotoは別のアルゴリズムであるため、同一のGPUをDaggerHashimotoとAutolykosで動かした場合、AutolykosではDaggerHashimotoの2倍程度のハッシュレートが出ることに注意が必要です。
今後の見通し
NiceHashのハッシュパワーマーケットプレイスに十分なハッシュパワーがある現状では、悪意ある攻撃者はNiceHashを利用して攻撃を行うことができてしまいます。NiceHashは、オープンなマーケットに干渉することなく、悪意ある攻撃から小規模なブロックチェーンを優先的に保護するよう努めています。
そのため、潜在的な収益を失うことになったとしても、当面の間、NiceHash MinerでAutolykosをサポートしないことに決めました。Ergoネットワークのハッシュレートが十分に大きくなれば、対応方法を再検討し、NiceHash MinerにAutolykosを追加することになるでしょう。