【Ethereum】ロンドンフォーク解説、実施日は?マイニング収益性への影響は?

Ethereumで予定されているロンドンフォークについて、NiceHashが解説を出しています。この記事を見ながら、ロンドンフォークの最重要議題であるEIP-1559についてみてみましょう。

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実施日はいつ?

ロンドンフォークは、

2021年 8月5日 23時頃(日本時間)

に実施されると見られています。

ニュースによって違う日時が報道されていますが、これはフォークが特定の日時を指定して行われるものではなく、特定のブロック高(12,965,000)で実施されるためです。Ethereumネットワーク上のハッシュレートによってフォーク実施ブロックまでにかかる時間が増減するため、正確な日時ではなく目安となる日時しか示すことができません。NiceHashによる残り時間の予想は、こちらのページで見ることができます。

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フォークとは?

ブロックチェーンネットワークは、「フォーク」と呼ばれるイベントでアップグレードを行います。

フォークには2種類あります。フォークの前後でブロックチェーンに互換性があるソフトフォークと、互換性がないハードフォークです。

種類フォーク前後の
互換性
特徴
ソフトフォークあり・フォーク後にバグが起きたらフォーク前の仕様に戻しやすい
・マイナーの投票によって仕様を決定できる
・新仕様への移行に時間がかかる
ハードフォークなし・フォーク後にバグが起きてもフォーク前の仕様に戻しづらい
・運営が仕様を決定できる
・新仕様への移行が即座に行われる
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ロンドンフォークとは?

ロンドンフォークは「London Network Upgrade」とも呼ばれるEthereumネットワークのアップデートです。ロンドンフォークは、ブロックチェーン上のルールを変更するハードフォークです。このフォークには5つのEIP(Ethereum-Improvement-Proposal:イーサリアム改善提案)が含まれますが、最も注目されているのは送金手数料の仕様を変更するEIP-1559です。

EIP #内容
1559Fee market change for ETH 1.0 chain
ETH 1.0 チェーンの手数料制度の変更
3198BASEFEE opcode
BASEFEE オペコード追加
3529Reduction in refunds
返金額の削減
3541Reject new contracts starting with the 0xEF byte
0xEF バイトで始まる新規契約を拒否
3554Difficulty Bomb Delay to December 1st, 2021
難易度ボムの2021年12月1日への延期
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取引手数料とは?

現在、イーサリアムのユーザーは送金時(トランザクション作成時)に、ガスと呼ばれる取引手数料を支払っています。マイナーはブロック作成時に、1ブロックあたり2ETHのブロック報酬とブロックに含まれるすべての取引のガスを報酬として得ます。つまり、マイナーの実際の報酬は、2ETH+取引手数料ということになります。

現在は取引手数料を自由に設定することができるため、トランザクションごとに様々な金額の取引手数料が存在しており、ネットワーク上のトランザクションの量が増えると、現実的な時間内にトランザクションを処理するために必要な取引手数料が青天井に高くなってしまいました。

また、このような仕組みでは、流通しているETHの供給量は増える一方となるため、インフレが引き起こされることになります。

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EIP-1559とは?

これに関してEIP-1559では、取引手数料についての新しい仕組みが導入され、すべての取引が基本手数料(BASEFEE)+優先手数料で行われるようになります。また、取引手数料の一部である基本手数料が焼却されるようになります。これにより、ETHのインフレを抑えられるようになると期待されています。

基本手数料は、イーサリアムネットワークの混雑具合に基づいて、ブロックごとに自動的に調整されます。具体的には。新規ブロックの基本手数料が前のブロックの87.5%~112.5%の間で自動的に修正されるようになります。ネットワークが混雑している場合は上がり、空いている場合は下がります。

手数料内訳
変更前取引手数料(値付けは自由)
変更後基本手数料(自動調整されブロック作成時に焼却)+ 優先手数料(値付けは自由)
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マイニング報酬への影響は?

ロンドンフォークによってマイニングの収益性は影響を受ける可能性が高いです。これまでには、イーサネットネットワーク上で取引が急増すると、取引手数料も急騰し、マイニング報酬も急上昇することがよくありました。ロンドンフォーク後は、このようなマイニング報酬の急上昇が起こらなくなることが予想されます。

具体的な過去のマイニング報酬がどれくらいだったかを、以下のグラフで見ることができます。

ピンク色で示されている取引手数料(Transaction Fees)のどの程度が焼却されようになるか、マイニング報酬がどの程度になるかは、実際にロンドンフォークが行われるまで分かりません。比較的取引手数料の割合が低い2020年12月までや、2021年6月、7月の水準に近くなるのではないでしょうか。

また、次のグラフでETH価格・1TH/sあたりマイニング報酬を見ると分かる通り、

マイニング報酬はETH価格と相関があります。そのため、ETHのインフレ傾向が抑えられるようになるならば、マイニング報酬が激減することもないかもしれません。

いずれにせよ、8月5日以降にどのような影響が出るのか、なってみないとわかりません。マイナーとしては、ただただリグを稼働させるのみですね。

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