NiceHash QuickMinerを利用するときに、ワンクリック最適化を行うのが、最も簡単で作業効率の高いオーバークロック方法としてすでに紹介しましたが、
更に手作業で設定値の微調整をする方法をNiceHashが紹介しています。詳細はこちら。
設定値の微調整は、つぎの2ステップで実行できます。
ステップ①:準備
NiceHash QuickMinerアップデート
NiceHash QuickMinerの「0.4.3.0 RC」以上が対象です。まだアップデートしていない場合は、こちらのアップデート行いましょう。
デフォルト設定ファイルダウンロード
ワンクリック最適化のデフォルト設定ファイルをダウンロードしましょう。これの設定を修正していくことで微調整を行います。解説の都合上、ダウンロード先を
D:\nhqm\optimize\data_005.json
であるとして説明を続けます。このダウンロード先は、それぞれの環境にあわせて読み替えてください。
ステップ②:設定ファイルの修正
「nhqm.conf」ファイルの修正
「nhqm.conf」を開いて、
“optimizeProfilesCustomDataURL” : null,
↓
“optimizeProfilesCustomDataURL” : “D:\\nhqm\\optimize\\data_005.json”,
と修正します。
このとき「\」(バックスラッシュ)を「\\」と、2つ連続させるようにしてください。間違えて「\」と1つだけにしないように気をつけましょう。
「”optimizeProfilesCustomDataURL” :」パラメーターの違いにより、以下のように設定値の参照先が変わります。
パラメーター | 参照先 |
---|---|
null | GitHubに置かれた公式ファイルの設定値 |
HTTPSアドレス ローカル絶対パス | アドレスに置かれたファイルの設定値 |
デフォルト設定ファイルの修正
ダウンロードしたデフォルト設定ファイル(data_005.json)の設定値を修正して、最適な設定値を探っていきましょう。
修正にあたって次のような注意点があります。
- 使用するパラメーターは、v3以降は略記されるようになりましたが、v2までの長いパラメーターも使用することが出来ます。(現在のファイルはv5)
- 「”pt”: 1」(プロファイルタイプ:1)のみで使用できる次のようなパラメーターがあります。
パラメーター | 意味 |
---|---|
dcc | コアクロックの増減値(MHz) |
pl | パワーリミット(W) |
mt | メモリタイミング設定値 |
- 「”pt”: 1」(プロファイルタイプ:1)では使用できない次のようなパラメーターがあります。
パラメーター | 意味 |
---|---|
mcc | コアクロックの最大値(MHz) |
- デフォルト設定ファイルのバージョンが上がると、今まで利用できていたファイルが利用できなくなります。その際は、「”optimizeProfilesCustomDataURL” :」パラメーターを「null」にするか、最新のデフォルト設定ファイルをダウンロードして修正してください。
補足:「data_005.json」ファイルの見かた
設定にあたって、「data_005.json」ファイルの見かたを簡単に解説します。
ファイル冒頭の
"op_names": [
{ "id": 1, "name": "Lite" },
{ "id": 2, "name": "Medium" },
{ "id": 3, "name": "High" },
{ "id": 4, "name": "Extreme" },
{ "id": 11, "name": "Efficient" },
{ "id": 12, "name": "EfficientLow" }
],
は、それぞれの「id」と最適化レベルの対応を示しています。
例えば、RTX 3090の設定には、
{ "name": "GeForce RTX 3090", "op": [
{ "id": 4, "pt": 0, "dmc": 1500, "mcc": 1200, "fm": 3, "ftg" : 50, "ftr": 74 },
{ "id": 3, "pt": 0, "dmc": 1200, "mcc": 1140, "fm": 3, "ftg" : 56, "ftr": 90 },
{ "id": 2, "pt": 0, "dmc": 800, "mcc": 1065, "fm": 3, "ftg" : 58, "ftr": 94 },
{ "id": 1, "pt": 0, "dmc": -400, "mcc": 945, "fm": 3, "ftg" : 62, "ftr": 94 }
]},
とあるので、下から最適化レベル「Lite」「Medium」「High」「Extreme」の設定値が書かれていることがわかります。
それぞれの設定値のうち、全ての「pt」(プロファイルタイプ)で使用可能なものは、
パラメーター | 意味 |
---|---|
id | 最適化レベル 1:Lite 2:Medium 3:High 4:Extreme 11:Efficient 12:EfficientLow |
pt | プロファイルタイプ 0:Pascal世代以外かつ、「Efficient」「EfficientLow」ではない設定で使用 1:Pascal世代かつ、「Efficient」「EfficientLow」ではない設定で使用 2:「Efficient」「EfficientLow」の設定で使用 |
dmc | メモリクロックの増減値(MHz) |
mcv | 最大コア電圧(mV) |
fm | 世代グループ 2:Pascal世代 3:Volta世代、Turing世代 |
ftg | 目標GPU温度(Target GPU Temp.℃) |
ftr | 目標VRAM・HotSpot温度(Target VRAM/HotSpot Temp.℃) |
となります。