NiceHashのハッシュパワーマーケットプレイスに、新アルゴリズムの「AUTOLYKOS」が追加されました。どういった特徴のあるアルゴリズムなのか、NiceHashによる紹介を読みながら見てましょう。
別ページでT-RexとNiceHash Poolを使ってAutolykosをマイニングする方法をご紹介しています。
概要
「AUTOLYKOS」がアルゴリズムで、このアルゴリズムを使ってマイニングできる暗号通貨が「ERGO」となります。
PoWアルゴリズムとしてはETHと同様にメモリ負荷が大きく(memory-hard)、ASIC耐性とプール耐性を備えています。GPUでのマイニングに適したアルゴリズムですね。このため、ETHがPoSに移行した際にはETHマイナーの移行先候補の1つになると言えるでしょう。
「AUTOLYKOS」アルゴリズムについて
「AUTOLYKOS」はPoW(Proof of Work)のアルゴリズムですが、ビットコインのPoWとは違いがあります。メモリ負荷が大きいためASICとGPUでの格差が少なく、ASICをあまり利用できない一般のマイナーでもマイニングに参加できます。
「ERGO」コインについて
ERGOは、長期的に持続可能な金融スマートコントラクトを実装することを目指しています。
発行数は1億ERG以下に制限されています。ビットコインとは異なり、ブロック報酬75ERGから始まって、最初の2年間を過ぎると減少しはじめます。8年かけてゼロになり、その後は総供給量が固定されていきます。
また、マイナーが保管料を徴収することで流通しなくなったコインを取得し、ビットコインのような鍵の紛失による流通量全体の減少を防ぐことができるシステムとなっています。
GPUごとのハッシュレート
現在のところで報告されているハッシュレートをまとめると以下のようになりました。
GPU | ハッシュレート (MH/s) | 消費電力 (W) ※左列ハッシュレートと対応 |
---|---|---|
RTX 3080 Ti | 224.8 | 189 |
RTX 3080 | 228.4 220 | |
RTX 3070 Ti | 175 159.5 | 138 |
RTX 3070 | 174.5 172 168.5 | 144 130 124 |
RTX 3060 Ti | 171 165 | |
RTX 3060 | 117.0 109.4 104.5 | 118 90 126 |
RTX 2070 | 75~80 | |
GTX 1660 Ti | 50.2 | 58 |
GTX 1660 Super | 61 53.8 | 58 |
GTX 1660 | 59.3 | 59 |
GTX 1080 Ti | 122 101.3 | 150 |
GTX 1060 (6GB) | 44 | |
GTX 1050 Ti | 26~28 | |
VEGA 64 | 207 180.5 | |
VEGA 56 | 201.6 180.0 176.8 | 159 149 150 |
RX 6800 | 122 | |
RX 6700 XT | 92 | |
RT 5700 XT | 112 107 | |
RX 5600 XT | 83.5 81 | |
RX 580 (4GB) | 67.4 68.2 | 67 94 |
RX 560 | 35.5 32.5 (RX 560化したRX 460) | 52 |
RX 550 (4GB) | 30.3 28.2 | 25 25 |
RX 470 (4GB) | 44.4 | 86 |
おすすめGPUはVEGA 56 / VEGA 64
上にまとめた表から次の3点が大きな特徴と言えるでしょう。
- VRAMが4GBでもマイニング可能
- HBM2を搭載したVEGAが強い優位性を持つ
- AMDに優位性がある
VRAMが4GBでもマイニング可能
1点目については、「RX 580 (4GB)」や「RX 560」でもマイニングできていることから分かる通り、4GBしかVRAMを搭載していないGPUでも問題なく利用できます。
HBM2を搭載したVEGAが強い優位性を持つ
2点目についても表から分かる通りで、10万円代後半が相場となっている「RTX 3080」「RTX 3080 Ti」に対して、「VEGA 56」「VEGA 64」は1/2~1/3程度の価格で入手が可能です。その一方でワットパフォーマンスは同程度なため、「AUTOLYKOS」でマイニングを行う場合に「VEGA 56」「VEGA 64」がおすすめといえます。
AMDに優位性がある
3点目は、「RX 580 (4GB)」が60MH/s代後半のハッシュレートが出ている一方で、「GTX 1660 Super / Ti」では60MH/s前後しかハッシュレートが出ていません。VRAMが4GBでもマイニング可能であることとあわせて、「RX 580 (4GB)」の有用性が高まるかもしれません。